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★嫉妬には、二つの心理的効果があります。 ひとつは、男性が自分にたいして判定している価値を数段上げる効果とそれに付随して手に入れたいという媚薬効果。 もうひとつは、他の男に負けて取られてなるものかというプライドを刺激する効果です。
江戸時代の遊郭には、この心理的効果をたくみに応用したシステムがあったようです。遊郭(ゆうかく)の花魁(おいらん)は、「廻し」と呼ばれるシステムによって、どんなに強力なダンナがついていても、一晩に数人の客を取らなければならないことになっていた。 吉川栄治の「宮本武蔵」にも、世に聞こえた総合芸術家であり京都の名士であった本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)が、ナンバーワンの太夫(花魁のトップ)に待たされる場面が登場する。 ほかの酒席に呼ばれていて、なかなか姿をあらわさない太夫に、光悦は、「あれは、貴重な女人だ」という思いをあらたにするというわけです。 また、システムだけでなく、花魁自身の駆け引きも実に巧妙だったようです。客は、高いお金を払って花魁を座敷に呼ぶわけですが、花魁は、ほかの得意客が待っていることを装って、スゲなくことわってしまうことがあった。 そこで、客は、クソッと思いつつ、それほど引きがある女ならば、いずれ、このオレが独り占めしてみせようとプライドを燃やしたのです。 かくして、当の花魁の値段は、おのずとハネ上がっていくという仕組みです。
女性の値打ちにしても、モノの値段にしても、あってなきがごときものと言われるように、それを求める側の思いによって、激しく上下するものです。 ということは、日ごろモテない女性でも、ヤキモチの利用の仕方によっては、その価値を倍増させることができるというわけです。 たとえば、意図的に三角関係を装ってみるのも、ひとつの手でしょう。商社に勤務している某OLは、酒を飲みに行くときには、かならず二人以上の男を誘う戦略をとっている。 彼女の見た目は、まったく十人並みなのですが、当人によると、「男というのは、女に酒に誘われれば、たいていついてくるもの」だということです。 その1対2のユニットで、彼女は、二人の男にまんべんなく甘えてみせるのですが、その際、微妙に差をつけることを忘れない。 すると、差をつけられたほうは、かならずムッとするという。そこにあるのは、愛の嫉妬ではなく、どちらがモテるかという、男同士のプライドをかけた嫉妬にほかなりません。 ★こういうライバルへの嫉妬がもとで、女性を愛するようになるということは、よくある話です。 |
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